アドラー心理学とうつ病とPTA

『人生の意味の心理学』というアドラーさんの本を興味のあることろから読んでいます。
アドラーはオーストリアの精神科医です。フロイトやユングとともに、心理学の巨頭とされています。
NHKの100分de名著という番組でも2016年の秋に取り上げられていた本です。わたしも再放送を見ました。
わたしはうつ病経験者ですので、うつという文字には敏感に反応します。
アドラー氏はうつ病をどうとらえていたのでしょうか。
パラパラとめくっていたらありました、うつ病患者に対する記述も。あたりまえですよね。
うつ病は、患者自身は自分自身の罪についてがっかりしているけれども、他者への長く続く怒りと非難であり、世話、共感、支えを求めることが目的である。
『人生の意味の心理学』アルフレッド・アドラー
うつ病患者さんは「どうすれば誰かを悩ませることができるか」という思いで頭がいっぱいなので、「どうすれば誰かを喜ばせることができるか」を考えれば、健康になると『人生の意味の心理学』第11章の個人と社会に記述されています。
お風呂上りにソファで横になってアドラーさんのこの第11章を読んでいたら、うつ病もちの自分が、だれかに振り向いてほしくて泣いている駄々っ子のように思えてきました。
そこに、二男から声が。
「PTAから大事な手紙がきてるよ」
PTA!!PTAほど働くお母さんを悩ませるものはあるでしょうか。最近PTA再考の動きが出ていることには、おおいに賛成です。
封筒をみれば、役員選考委員会からになっています。選考除外要件にあてはまるかどうかの、確認の手紙でした。二男の小学校は、たとえば、母子家庭や介護中、病気療養中であれば、選考除外です。
仕方がないですけど、生きていくって煩わしいことも多いと改めて実感。
PTAのお仕事も考えようによっては、人を喜ばせる活動ですよね。
わたしも長男の時から何回かあたりましたが、かなり疲弊しました。
これを前向きにやれるってことが、健康ってことなんですか、アドラーさん…。心がざわざわします。
自分の大変さのことしか、今は考えられません。ああ、くじ引きがあたりませんように…

でも、わたしは思い出しました。
NHK100分de名著のテキスト『アドラー 人生の意味の心理学』岸見一郎に書かれていたことを。
このテキストには、何かをするということによってではなく、自分が存在するだけで他者に貢献するということも可能であると解説してありました。
自己肯定感があまり高いと思えない自分には、こちらもちょっとハードルを感じます。
でも、今はなんか生きているだけでOKにしてほしいくらいの心持ちなので、こちらを採用しときます。
わたしのアドラー理解が正しいかどうかもわかりませんが、今はまだこんなものです。
今後もアドラーに触れて、いろいろ考えてみようと思います。